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別名サフィの独り言

気ままに生きてる宇宙人の映画とか読書とか勉強とか。

リトルランボーズ


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「ボクたちの想像力と友情が、世界をちょっとだけ変えるんだ。」


予告映像


あらすじ(ネタバレを含まないから安心していいわよ。)

主人公は二人。

 父親がおらず、母親が厳しい戒律の宗教に傾倒しているため、すべての娯楽を禁じられている環境下にある「ウィル」

これがもう、テレビもダメ!音楽もダメ!お菓子もダメ!のダメダメ尽くしの禁欲っぷり。
おそらくTwitterもインターネットも禁止であろう。ああ、おそろしや。

そんな、徹底的な禁欲を課されているウィルの唯一の楽しみは自分だけの楽しい空想の世界をノートに書き連ねること。

 この、落書きがすごく綺麗。そして、なんとも言えない。この落書きを活かした映像が、この映画の大きな見所の一つだと思う。

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 こんなカラフルでポップな落書きが映画の中のいたるところに散りばめられていて、ウィルの想像の中で動き回る映像は見ていてすごく楽しいし、綺麗。


そして、もう一人の主人公の名前は「カーター」こちらも父親がおらず、母親はあっちの男にこっちの男にふらりふらりしてる女で、仕方なく横暴で意地悪な兄とビクビクしながら二人暮らしをしている。
 こちらは学校一番の問題児。
悪さばかりしていて学校中の嫌われ者。

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左がカーターで右がウィル。


そんな二人がひょんなことで一緒にトラブルを起こし、知り合い、ウィルがカーターの家に遊びに行くところから物語の歯車が回り出す。

 幼い頃から一切の世俗的なもの、つまり楽しいもの、美味しいものと強制的に距離をおかされて、付き合ってきたウィルは、カーターの家で「ランボー」という映画を見る。

その映像のあまりの迫力とランボーの華麗なアクションやヒーローっぷりにすっかり魅了されたウィルは映画の虜になる。

一方カーターはウィルに出会う前から、ひとりぼっちでカメラを回して映画を撮っていた。

そんなこんなで、二人は自分たちを「ランボーの息子」と勝手に位置付けて、ランボーの息子になりきって空想の世界に遊ぶウィルをカーターがカメラに収めるという二人きりの映画作りを始め、互いの友情を深めていく。

しかし、その友情を阻む様々な壁があって…

ってはなし。

ウィルの方は親に映画なんて撮ってるってばれたらそれこそ大変なことになっちゃうし、

カーターの方も映画作りを通して変わっていくウィルに戸惑ったり、悲しんだり。

紆余曲折を経てたどり着くラストシーンではホロリと温かい気持ちになれましたよ。


感想(結構ネタバレがあるよ!気をつけてね
!!!)

いやー、本当によかった。
時間も90分で見やすい感じでとってもいい。

個人的にはこの映画の一番の見所はさっきも書いた通り子供の落書きを活かした楽しい映像だと思ってる。
 これは見てみないとわからないんだけど、なんとも言えない懐かしさとか、ウィルの想像の世界に入っていけるのがとても楽しい。

それから、
この映画の怖いところはずばり「宗教」

あらすじにも書いたんだけど、ウィルの入ってる宗教は本当に戒律が厳しい。
だけど、お母さんとか宗教の人たちはそうすることが幸せに直結するって本気で思ってて、
映画の虜になったウィルが少しずつ変わっていく様子を危ぶんで、平気で監禁しようとしたり、ウィルの家庭に介入したりしようとする。
 オウム真理教とか、宗教ドキュメンタリーとか宗教の怖さを訴える作品はたくさんあるけどそんな作品にある残酷さとか殺戮とかそんなのはない。
 ないんだけど日常の中に溶け込んで根底から染み込んでしまう宗教の恐ろしさが本当によく描かれている映画だと思う。
 
ワタシは前半この映画のウィルのお母さんがすごく悪くて狂ってる人に見えていたんだけど、
お母さんの回想シーンが後半に来て、
ウィルのお母さんを見る目が180度変わったんだよね。

 映画の虜になったウィルの様子が変わったことに、お母さんはやはり何か感じたのか。

自分が小さい時に自分の親に同じような禁欲生活をさせられていて、何も娯楽に触れたことがなかった時に、パン屋さんから漏れてきたロックの虜になった、というエピソードをウィルに語るシーンがあるのよ。

で、ウィルのお母さんはこっそりロックのレコードを買い集めるんだけど、それをお母さんのお父さんに見つかっちゃってレコードは全部燃やされちゃった、って結末なんだけど、

この結末をウィルのお母さんが

「お父様が私を救ったのよ」

って表現してるのがすごく怖いと思ったんだよね。

彼女もウィルと同じ時の時に娯楽に恋をして、でも打ち破られた。

つまり、映画に魅せられたウィルの気持ちは分かってる、分かってるけど、それを許せない。

なぜなら、宗教の教えに反するから。

彼女にとっては宗教は本当に大切なものだった。
 だからこそ彼女の葛藤は計り知れない。
もともとウィルや家族の幸せのために信仰し、禁欲しているが、それをいやがるウィルに課す自分は本当に彼のための母親なのか。

 そんな彼女の葛藤を妄想するのも楽しいし、さらりと宗教の静かな恐ろしさというか影響力を植え付けるような描き方がされているのもこの映画の魅力の一つだと思う。

大人たちを振りほどいて「全部大嫌いだ!」と映画に向かっていくウィルを見送る母親の姿が切ない。

それから、「スクールカースト
 
 二人ぼっちで細々と映画を撮っていたウィルとカーターだったけれど、学園の人気者のフランスからの留学生が二人の映画に参加したい、と言った途端。

二人は一躍学園の人気者に。

初めてのことに喜びまくるウィルと、
その状況にハマらずに違和感を感じていて、また二人きりに戻りたい、と素直に口にするカーター。

ここで二人の友情がこじれるんだけど、
この展開がすごくリアルだなぁ、って結構感動したんですよ。

特にカーター。
「また二人だけでやろうよ、」と素直に口にするところがすごく切実で切ない。

もともとカーターの始めた映画作りにウィルを混ぜてあげたのに、ウィルに取り上げられて、ウィルまで人気者たちに取られてしまう切なさ。

ここら辺のカーターがすごくリアルでかわいそうで、胸が痛みました。


「今日は人生最高の日だ、」

最後のカーターの笑顔が大好きでした。


そんなわけで、初の映画の感想。

これからも地味に続けていこうと思うので、
オススメの映画とかこの感想書いてとかあったらなんなりとおっしゃってください。

ではでは。