別名サフィの独り言

気ままに生きてる宇宙人の映画とか読書とか勉強とか。

シャトーブリアンからの手紙。

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「あなたに見せたかった。
微笑み合える明日を。」

予告

あらすじ(ネタバレがないから安心してみていいわよ。)

 物語は、ちょっと怪しげな3人組の若者たちが何やら企みごとをしているところから始まる。

舞台は第二次世界大戦ドイツ占領下のフランス。
3人の少年たちはフランスの共産党の少年団で、ナチスの将校を二人に射殺する。

これがすべての発端で物語の幕開け。

ナチスはこの報復として人質150人の処刑をフランスに命じる。

(よくよく考えれば自分ところの人間二人が殺されたからそっちの150人を殺せ、っていう命令って結構トチ狂ってると思んだけど、これが実話だと言うのだから恐ろしい…。)

んで、そんなわけで150人の「人質リスト」が作成される。

そんなわけで選ばれてしまったのが、
政治犯ばかりが収容されているシャトーブリアン収容所だった。

ここには実に多彩な人々が収容されている。
本作品は群像劇という体をとっていて、誰が主役ということはあまり明確ではないのだが、

強いて言うのならば、
この収容所最年少の17歳の少年「ギィ」
収容所での物語は彼の目線を通して描かれる。

この150人の人質の処刑命令を巡って、
様々な現場で様々な葛藤が起こるというお話。

感想(あんまりオススメしない映画だからネタバレがてんこ盛り!気をつけてね。)

 150人の人質が処刑されてしまうのか、それとも救い出されるのか。

 西洋史の知識もなく、西洋における第二次世界大戦のことを何も知らないワタシのような凡人、非知識的人間はその一点を追いかけてこの映画を見ることになると思う。

個人的にナチスの時代を描いた映画は史実を描く映画の中でも一番わかりやすい題材だと思う。
ある日突然無差別殺人の対象になったユダヤ人と、ヒトラーという恐ろしい独裁者という絶対的な善悪の対立構造が出来上がっているから物語にすごく入りやすい。だからワタシのような知識に乏しい人間でも鑑賞できるものなのだと思う。
  だけど、今回はユダヤ人のユの字も出てこない。
舞台はフランス。
もうここまでくると知識とか何もないから、感想を吐き出すしかワタシには出来ることがございません。

そういうわけで、ワタシの感情論100パーセントのレビューを書き散らかしたいと思います。

そんなのいやだ!という人は「シャトーブリアンからの手紙 感想」とでもぐぐってくだせえ。
たぶんもっとマシなのいっぱい出てきます(死にたい)。

 「ナチスが要求したのは150人の人質の命」
というセンセーショナルな宣伝文。

ならば、この150人を巡って物語が展開されるに違いない、とワタシは考えた。

というか誰でもそう思うだろう。
そんな風にみはじめたワタシと一緒にこの映画を旅しよう。

 この映画では登場人物は大きく分けて3つ!

シャトーブリアン収容所の囚人たち。

彼ら同士の会話や、関わり合い方から彼らのキャラを徐々に徐々に描いていく手法です。
和やかなマラソン大会やラグビー大会持ち寄った楽器で演奏会。
政治犯収容所だからか比較的知的な大人が集まっていてみんなでギィのことを可愛がっています。
囚人とは思えない優雅な日々。

②フランスの公務員さん(ビビリ要員)

ナチス側に「人質(殺す)150人のリストを作れ!」と命令されて、
勇敢にも、「報復はドイツの仕事だ。私は公務員なのだから、リストは作らない」と立派なこと言うから、ワタシに「こいつが主役?」と勘違いさせた人。

ちょっと脅されてすぐリストを作ります。(なんだそりゃ)
「お早いお仕事ご苦労」なんてドイツに褒められてる公務員の鏡。

③軍人(殺戮組)

「考えるな!考えるの禁止!」
と、軍国主義丸出しの軍曹様。
もちろん、処刑もノリノリ。
「こうすれば150人を効率よく処刑できる!」と処刑ローテーションまで編み出す処刑の達人だぞゾ!

④軍人(草食系)

殺戮よくない!僕は殺さない!とアニメのヒーローのようなセリフを軍人(殺戮組)に言うからワタシを期待させちゃった人。
一発撃って吐いて気絶。
しょうがないよ、だって元電話交換手だもの。

⑤司祭様(厨二病疾患中)

処刑1時間前に処刑される人質たちの前に現れたおっさん。
「命令の犬になるな、」と公務員(ビビリ要員)に言い放った人。
かっこいいこと言った割にやったことは囚人に紙と鉛筆を配り手紙を書かせて、家族の元に届けるだけ。(なにそれ、郵便屋さん呼べばよかったじゃん。)


てなわけで、こんな愉快な5大勢力がネチネチする映画。

ほんとこの映画をは、リアルの一言に尽きる。
希望もラッキーも奇跡もない。
どっちかといえば不幸な事件ドキュメンタリー、とかで世界仰天ニュースあたりで流せばいいと思う。

予告で、公務員(ビビリ要員)が「リスト!?」と絶叫してたし、何回もリストって単語が出てくるから、ワタシは
シンドラーのリスト」を思い出した。
シンドラーのリストについてはまた今度描くから今日は勘弁。

でも、別にそれもナンテコトナイ。
公務員さんが「自国の国民を売れない」と一瞬切れるけどすぐ屈服するから本当に無駄に盛り上げられて無駄に盛り下げられる。
できたのはただの殺戮リスト。

軍人(草食系)も軍人(殺戮組)に小さく反抗とかするから、なんかすんのかなーと思わせといて何もなし。

本当に終始寸止めの描き方がイライラする。

そして、人質の彼らなどはもっと悲惨で、
死ぬ2時間前に呼び出されて「何も言わずに俺についてこい☆」と命令され初めて殺されるのを知る。

だから、死と向き合うこともそこまで描かれない。

本当にお役所の事情、軍隊の事情、を事務的に写して行っただけ。

ただ縛られて殺されるところに時間割いて、150人が軍人(殺戮組)が考案した処刑ローテーションによって手際よく殺されるのをただただうつしてるだけのラストシーン。

そして、
傍観者役の女の子(特筆すべきことなし。かわいいかわいい美人、以上)が、

「あなたたちは無駄死にではなかったのよ。」

と呟いて終わり。

なんじゃそりゃ、って感じ。

ワタシの90分を返して欲しい。
ワタシはあまり進めない。同じようなナチス映画なら、
「縞模様のパジャマの少年」をお勧めするからそっちを見て欲しい。
あっちは美形ショタが出てくる。
美形ショタ最高。
そして面白い。

冒頭に書いたようなナチスを描いた映画の分かりやすい善悪構造がないのもこの映画を見づらくしていると思う。
しちゃかちゃにこき下ろしたけど公務員さんだって決して悪くない。
そして、理不尽に殺される囚人たちも政治犯だからただ単に思想がナチスに合わないから殺されるだけ。
軍人(殺戮組)は命令に従ってるだけだから、あまり重要な意味はない。

そして、殺せと命令してるドイツ側が全く映画に登場しない。

だからこそ、誰が悪いのかわからない。
そうなるとどこに立ってこの映画を観ればいいのかがわからなくなって迷子になるんだよね。

つまるところが、この映画。
ワタシからしてみれば大風呂敷広げといてなんなのよ!って映画です。

  と、感想を閉めたいんだけど、ここでワタシが驚いたのはこの映画が結構評判がいいってこと。
 たとえばさっきの登場人物には書かなかったけど作品の中盤に優雅なドイツのおっさんが、もう一人のドイツのおっさんに向かって「この出来事を文学作品的に記録して欲しい」「御意」みたいな会話してたんだけど、
それが超有名な戦争作家だったり、そんな仕掛けがちりばめられているらしい。

わかりやすく言えばちょっと前はやった脳外科医が江戸時代にタイムスリップするドラマ「仁」で坂本龍馬やら勝海舟が出てきて盛り上がったのといっしょ。

あれは坂本龍馬やら勝海舟を知ってるから面白みがわかって楽しいわけよ。
しらなきゃ、
汚いおっさん(土佐弁)
怖いおっさん(武道派)
って見方しか出来ないよね。

つまりそういうこと。
わかってる人、知ってる人は面白く観れる工夫がされてるけど、何も知らないワタシからすればよくわからないよね。

見方を変えるとするならばこの映画はワタシにしらないことで娯楽を狭める、ってことを啓発した映画かもしれないね。
だとすればワタシに意味があったのかもしれない。

だけど、本当にあまりオススメはしない。
マジでオススメはしない。鬱になる暗い悲しい。以上。